タロット占いにおける「逆位置」とは?
正位置と逆位置の違い
タロットカードは、同じ1枚でも正位置と逆位置で意味が変わるのが一般的とされています。
例えば、「カップの2」のカード。
* 正位置なら「恋愛成就」「良好な人間関係」などのポジティブな意味
* 逆位置なら「すれ違い」「関係の亀裂」などのネガティブな意味
このように、カードの向きで意味が変化するのが逆位置の特徴です。
逆位置の難しさと混乱点
逆位置を読むとき、意味が増える分、どう解釈すべきか迷いやすくなります。
また、「逆位置=悪い意味」と誤解してしまい、リーディングがネガティブに偏るケースも。
占いに自信がないときほど「逆位置があると混乱する」と感じやすいんですね。
逆位置が「正しいやり方」というわけではない
だったらそういう人はいっそのこと、逆位置を使わないのがおすすめです🙋♂️
実は逆位置って、まるで「それが正しいやり方」であるかのように認知されていることが多いんですが、実際はまったくそんなことありません。
現代タロットの原型を作った黄金の夜明け団という魔術結社では、逆位置は採用されていません。
こちらではエレメント相性で見るという手法が用いられていました。
ですので、逆位置というのは、「タロット占いのやり方の流派の一つ」でしかなく、けっして絶対に採用しないといけない要素ってわけではないんですね🙋♂️✨
実は逆位置を使わないプロも多い
プロの占い師の中にも、逆位置をあえて使わない方はいます。
その理由は「カードの向きに頼らず、相談者に合わせた柔軟なリーディングをしたいから」。
逆位置を使わなくても、カードの象徴や絵柄から多角的に読み解く力を磨けば、リーディングの幅は広がります。
「太陽」のカードなら、喜び、成功、でも調子に乗りすぎに注意、といったように、正位置だけでもポジティブと注意のバランスが取れます。
タロット1枚には複数の意味が含まれています。
「ペンタクルの6」なら、「助ける側」なのか「助けられる側」なのかなど、正位置だけでも状況や質問者の立場によって読み分けられるのです。
タロット占い「逆位置」はどう生まれた?歴史的な背景をやさしく解説
タロット占いに欠かせない「逆位置(ぎゃくいち)」ですが、実は最初からずっと存在していたわけではありません!
歴史を紐解いてみていくと、あったり、なかったり、けっこう時期によってまとめた人によってバラバラだったりしますw
タロットに逆位置を最初に取り入れたのは…フランスの占い師エテイヤさん!
タロットカードにおいて逆位置が最初に登場したのは、18世紀のフランス人占術家「エテイヤ(Etteilla)」です。
彼はトランプ占いのスタイルをタロットに応用し、カードが上下逆さまに出た場合の意味(逆位置)も重要視しました。
この時点で、すでに「正位置と逆位置で意味が異なる」という考え方がタロットに取り入れられていたのです。
黄金の夜明け団と逆位置の一時消失
そこから100年くらい経った19世紀後半、イギリスで結成された魔術結社「黄金の夜明け団(Golden Dawn)」は、タロットの技法を体系的にまとめ直しました。
しかし、この団体ではタロットリーディングにおいて“エレメント相性”を重視しており、カードの向きによる解釈(逆位置)は基本的に使われませんでした。
そのため、一時的にタロット界から「逆位置」という考え方が姿を消すことになります。
ウェイト版タロットの登場と逆位置の復活
20世紀初頭、黄金の夜明け団出身のアーサー・エドワード・ウェイト(A.E. Waite)は、有名な「ライダー・ウェイト版タロット」を発表します。このとき、彼は解説書『The Pictorial Key to the Tarot』を出版し、そこでは明確に「逆位置の意味」が記載されていました。
ただ、ウェイトさんは本ではそう書いてたものの、仲間内では逆位置を使っていなかったという話もあったりなかったり…w
つまり、一般向けの解説書では逆位置を紹介しつつ、実際の魔術的実践ではあまり用いていなかった可能性があるのです。
ここらへんは、ウェイトさんはしばしばそういうことけっこうする人だったみたいなので、真意はもう本人しかわかりません😫
トートタロットとアレイスタークロウリー
ウェイトと同じく黄金の夜明け団のメンバーだったアレイスター・クロウリーも、独自のタロットデッキ「トート・タロット」を制作しました。
そしてこちらでは逆位置は採用されていません。
彼が著した『777の書』などでは、再びエレメント相性に基づいた読み方が推奨されており、逆位置は扱われていません。
このように、当時の魔術師たちの間では、逆位置を用いない流派も多く存在していたのです。
イーデン・グレイによる一般化
1960年代、アメリカの著述家イーデン・グレイ(Eden Gray)が出版したタロット解説書では、再び逆位置がしっかりと紹介されました。
この本が英語圏でベストセラーとなったことで、逆位置の考え方が一般の占いファンにも広まり、現代のタロット占いにおいて定着するきっかけとなったのです。
まとめ:逆位置は進化するタロット技法のひとつ
タロット占いの「逆位置」は、時代や流派によって扱い方が大きく変化してきました。
最初に逆位置を導入したエテイヤから始まり、黄金の夜明け団で一時消え、ウェイトによって復活し、イーデン・グレイによって一般化された――このような流れを経て、今の私たちが知るタロット占いが形作られているのです。
でもこれはつまり「逆位置を使うかどうか」は占い師によって異なってるので、どちらが正解ってものはないってことです🙋♂️
ですので、自分に合ったスタイルを選ぶことが、タロットを楽しむ一番の近道です!
あなたも、逆位置を使うべきかどうかは、ぜひ自分の感性にしたがって、自分の価値観で決めちゃってください!
どっちも正解だよ!
ちなみに、いまこの記事を書いてる中川龍は逆位置は使わない派です🙆♂️
それについてはこっちの記事でまとめてるので興味がある人はこっちも読んでね!
